今回、生産現場における外観検査工程の自動化設備を構築したものを展示し、本レポートでは「Quality Eyes」でどのように外観検査の自動化を支援できるのかをご紹介します。
人が手に持って目視検査していた作業を、自動判定をするためにはいくつかのステップが必要であり、始めのステップでは自動判定で必要となるデータの撮像と蓄積を行います。
今回の設備ではワーク品の検査箇所を4台のカメラで撮影しました。
撮像した画像は見やすくモニターに表示します。「Quality Eyes」は光学機器との連携を容易に行い、撮像した画像を好きなレイアウトでモニターに表示する機能を持ちます。また、もしキズなどNG箇所があれば、タッチパネル式モニターでその個所に○をつけたり、タグ付けしたりすることができます。これによって人の目視確認は継続しつつ、データを蓄積することができます。
今回この「お絵描き機能」と「タグ付け機能」を体験するコーナーを設け、来場者の方に実際に体験をしていただきました。
「Quality Eyes」には他の自動検査プログラムの結果を取り込むことや、自動検査プログラムそのものを作成する機能を持ちます。
外観検査工程の自動化の次のステップでは蓄えられたデータを元に自動検査プログラムを作成しますが、自動検査に求められる高い精度に達することは簡単ではありません。その場合には自動判定をさせながら、人も同じ画像を見て目視検査を行い、ダブルチェック体制で検査を行うことができます。自動判定では「NG」となったが、人による目視確認では「OK」であるといったエビデンスを残したり、それがどのワークだったか追跡したりといったことが可能です。そうして、さらに蓄積されたデータをもとに自動検査プログラムを改善していきます。モニターによる目視検査を行いながら実施するため、生産効率を落とすことなく実施できるということがポイントです。
自動検査を「早く導入すること」と「精度を上げること」を両立することができ、手戻りや修正の繰り返しによる時間のロスを防ぐことができます。
上記の画像では、左側にHALCON(画像処理ライブラリ)を用いた画像処理判定を行っている様子が表示されています。右側では人によるモニター検査を行い、自動判定と手動判定の比較が可能となっています。またプラグ部分の抵抗検査結果も取り込み、検査エビデンスを一元管理するという使い方も可能です。
自動検査プログラムの改修を行い、十分精度を上げることができたら人目による手動検査は行う必要はなくなり、自動検査プログラムのみを実行し自動で外観検査を行うことができます。こうして「Quality Eyes」によって外観検査工程の画像の撮像から検査自動化までを支援することができました。
「Quality Eyes」は実際の生産設備に50システム以上の導入実績があり、そこで蓄積されたノウハウが活かされています。設備や外観検査の自動化に関する課題がございましたら、お気軽にお問い合わせください。