本展示会では、株式会社DTSインサイト、株式会社マックシステムズと共同で出展いたしました。当社は外観検査支援システム「Quality Eyes」の展示を行いました。会期中は大変多くのお客様に足を運んでいただき誠にありがとうございました。
今回、3社の連携により、外観検査工程の自動化を目指す際に、実現性の検証から「Quality Eyes」を用いたシステム化までの工程を表現しました。本レポートでは展示内容の紹介と共に、どのようにして外観検査工程の自動化を支援できるのかご紹介します。
検査の自動化を3つのフェーズに分けて紹介します。
なお、7月18日放送の名古屋テレビ【メ〜テレ】ドデスカ+(プラス)番組内で、本展示の様子が紹介され、「Quality Eyes」が登場しました。
外観検査にて使用するカメラ/レンズ/照明の選定・検証には多くの時間がかかります。
どのように撮像するのか、どのように照明を当てて欠陥を見つけるのかといった、光学条件を考慮する必要があります。
この工程をバーチャル空間でシミュレーションすることで
・カメラ/レンズ/照明の種類、組み合わせ
・配置や照明強さなど光学システム設計などの組み合わせの条件
などの検証が行えます。
光学機器を実際に準備する前に検査に最適な条件を絞り込むことが可能となり、既に動いている製造ラインで新たな外観検査を追加したい場合にも、ラインを止める必要がないため検証にかかる時間を大幅に短縮することができます。
次に、検証した条件を基に光学機器を選定し、ロボットを用いてリアル空間上で再現します。
バーチャル空間上でシミュレーションした座標データを使用することで、ティーチングなどの手作業の手間を省略し、座標への移動を短時間で再現できます。リスクやミスなく短期間で撮影でき、手戻りがなくなるため工数の削減に繋がります。
そして、シミュレーションでは調整しきれなかった部分を微調整することで、量産に対応できる座標位置等のデータの作成ができます。
そして、「Quality Eyes」によって目視検査から自動検査導入までを、生産工程を止めずに実現します。
「Quality Eyes」は大きく分けて2つの機能を提供しています。
1つ目は、目視検査のモニター検査化機能です。自動化にあたり、まずデータを蓄積する必要がありますが、生産中にデータを集めるのは大変な作業です。そこで、これまで人が手に持って検査していたものをタッチパネルモニターでの検査に置き換え、ラベリングしながらデータを蓄積します。
「Quality Eyes」では、光学機器との連携を簡単に行い、撮影した画像を好きなレイアウトでモニターに表示できます。キズなどの欠陥があった場合には、タッチパネル式モニターでキズ箇所に分かりやすく〇(マル)を付けたりタグを付けたりすることで、現場検査員の判定基準の情報を画像と一緒に蓄積することができます。これにより、人による目視確認は継続しつつ、自動判定を作成する上で必要となる、正確な基準で判定されたタグ付き学習用画像データを蓄積できます。
今回の展示では、この「お絵描き機能」と「タグ付け機能」を体験するコーナーを設け、来場者の方に実際に体験をしていただきました。
2つ目は、自動検査プログラムの組込み機能です。「Quality Eyes」は他の自動検査プログラムの結果を取り込んだり、自動検査プログラムを実行することができます。
外観検査工程自動化を次のステップに進めるには、蓄えられたデータを基に自動検査プログラムを作成する必要があります。しかし自動検査に求められる高い精度に達することは簡単ではありません。そこで、自動判定をさせながら、人も同じ画像を見て目視検査を行うことで、ダブルチェック体制で検査を行います。自動判定では「NG」となったが、人による目視確認では「OK」である、といったエビデンスを残したり、それがどのワークだったか追跡したりといったことが可能です。そして、さらに蓄積されたデータを基に自動検査プログラムを改善していきます。モニターによる目視検査を行いながら実施するため、生産効率を落とすことなく実施できる点がポイントです。
自動検査を「早く導入すること」と「精度を上げること」を両立することができ、手戻りや修正の繰り返しによる時間のロスを防ぐことができます。
上記の画像では、左側にHALCON(画像処理ライブラリ)を用いた画像処理判定の様子が表示されています。右側には人によるモニター検査の様子が表示されており、自動判定と手動判定の比較が可能となっています。
自動検査プログラムの改修を行い十分精度を上げることができたら、人の目による手動判定は行う必要はなくなり、自動検査プログラムのみを実行して自動で外観検査を行うことができます。こうしたプログラムの実行の可否や判定の追加などを、PLCの変更をすることなく行うことができます。
「Quality Eyes」はこれらの機能によって、生産を止めることなく工程の自動化を支援することができます。実際の生産設備にこれまで50システム以上の導入実績があり、蓄積されたノウハウが活かされています。設備や外観検査の自動化に関する課題がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
株式会社MACシステムズ: https://www.macsystems.co.jp/
株式会社DTSインサイト: https://www.dts-insight.co.jp/