人とくるまのテクノロジー展2025 YOKOHAMA

人とくるまのテクノロジー展2025 YOKOHAMA へのご来場ありがとうございました!

本展示会では、株式会社DTSインサイトのブースにて、同社および株式会社マックシステムズと協働した外観検査ソリューションを展示いたしました。会期中は大変多くのお客様にご来場いただき誠にありがとうございました。

今回、3社の連携により、外観検査工程の自動化を目指す際に、実現性の検証から「Quality Eyes」を用いたシステム化までの工程を表現しました。本レポートでは展示内容の紹介とともに、どのようにして外観検査工程の自動化を支援できるのかご紹介します。

展示の様子

外観検査の自動化プロセスを3つのフェーズに分けてご紹介します。

PHASE 1
株式会社DTSインサイトによるバーチャルシミュレーションを用いた外観検査光学システムの検証
PHASE 2
株式会社マックシステムズによるロボットを用いたリアル空間上での光学検証
PHASE 3
当社による「Quality Eyes」を用いた外観検査工程のシステム化

PHASE 1:バーチャルシミュレーションを用いた外観検査光学システムの検証

外観検査で使用するカメラ、レンズ、照明の選定・検証には多くの時間を要します。どのように撮像し、どのように照明を当てて欠陥を見つけるのかといった光学条件の考慮が不可欠です。複雑な対象物であればあるほど、検証にかける期間や設置位置の調整回数が増大します。

PHASE 1で紹介するバーチャルシミュレーションを用いた外観検査光学システム(以下、VIS)は、外観検査ライン構築において不可欠な、光学設計の試行錯誤を「仮想空間」でシミュレーションできるシステムです。ワークのCADデータなどを読み込むことで、カメラ、レンズ、照明の種類、組み合わせ、配置、照明の強さといった光学システム設計の組み合わせ条件の検証が行えます。

VISは、ワークの輝度・解像度・死角を演算し、複雑なワークでも最小必要ショット×シャッター速度を自動最適化できます。これにより、光学機器を実際に準備する前に検査に最適な条件を絞り込むことが可能となり、検証にかかる時間を大幅に短縮することができます。

PHASE 2:ロボットを用いたリアル空間上での光学検証

次に、PHASE 1で検証した条件をもとに光学機器を選定し、ロボットを用いてリアル空間上で再現します。

PHASE 1で算出した座標データを使用し、バーチャル空間上で行ったシミュレーションを、すぐにリアルで再現します。ティーチングなどの手作業の手間を省略し、座標への移動を短時間で再現できます。リスクやミスなく短期間で撮影でき、手戻りがなくなるため工数の削減に繋がります。

そして、シミュレーションでは調整しきれなかった部分を微調整することで、量産に対応できる座標位置等のデータを作成できます。

PHASE 3:「Quality Eyes」を用いた外観検査工程のシステム化

そして、「Quality Eyes」によって目視検査から自動検査導入までを、生産工程を止めずに実現します。

「Quality Eyes」は大きく分けて2つの機能を提供しています。

目視検査のモニター検査化機能

自動化にあたり、まずデータを蓄積する必要がありますが、生産中にデータを集めるのは大変な作業です。そこで、「Quality Eyes」は、これまで人が手に持って検査していたものを、タッチパネルモニターでの検査に置き換え、ラベリングしながらデータを蓄積します。

「Quality Eyes」は光学機器との連携を簡単に行い、撮影した画像を好きなレイアウトでモニターに表示する機能を有しています。キズなどの欠陥があった場合には、タッチパネル式モニターでキズ箇所に分かりやすく〇(まる)を付けたり、タグを付けたりすることで、現場検査員の判定基準の情報を画像とともに蓄積できます。これにより、人による目視確認は継続しつつ、自動判定を作成する上で必要となる、正確な基準で判定されたタグ付き学習用画像データを効率的に蓄積することが可能です。

今回の展示では、この「お絵描き機能」と「タグ付け機能」を体験できるコーナーを設け、来場者の方に実際に体験していただきました。

自動検査プログラムの組込み機能

「Quality Eyes」は、他の自動検査プログラムの結果を取り込んだり、自動検査プログラムを実行する機能を備えています。

外観検査工程自動化の次のステップでは、蓄えられたデータを基に自動検査プログラムを作成しますが、自動検査に求められる高い精度に達することは容易ではありません。そこで、「Quality Eyes」では、自動判定をさせながら人も同じ画像を見て目視検査を行う、ダブルチェック体制での検査が可能です。自動判定では「NG」となった場合でも、人による目視確認では「OK」であるといったエビデンスを残したり、それがどのワークだったか追跡したりといったことが可能です。そして、さらに蓄積されたデータをもとに自動検査プログラムを改善していきます。モニターによる目視検査を行いながら実施するため、生産効率を落とすことなく実施できる点が大きなポイントです。

これにより、自動検査を「早く導入すること」と「精度を上げること」を両立することができ、手戻りや修正の繰り返しによる時間のロスを防ぐことができます。

上記の画像では、左側にHALCON(画像処理ライブラリ)を用いた画像処理判定を行っている様子が表示されています。右側では人によるモニター検査を行い、自動判定と手動判定の比較が可能となっています。

自動検査プログラムの改修を行い、十分な精度を達成できれば、人の目による手動判定を行う必要はなくなり、自動検査プログラムのみを実行し自動で外観検査を行うことができます。こうしたプログラムの実行の可否や判定の追加などを、PLCの変更をすることなく行えます。

「Quality Eyes」はこれらの機能により、生産を止めることなく工程の自動化を強力に支援します。実際の生産設備にこれまで50システム以上の導入実績があり、蓄積されたノウハウが活かされています。設備や外観検査の自動化に関する課題がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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