DX推進に向けた取り組み

2026年7月10日

日本ノーベル株式会社
代表取締役 下山 到

当社が取り組むDX

【背景と変革への決意】

日本ノーベルは、「発明、発想で仕事を面白くする」という経営理念を掲げ、高度なソフトウェア・ハードウェア技術を駆使した独創的なソリューションで、数々のお客様の課題を解決してまいりました。

お客様の課題解決を進めるには、我々自身もITを深く理解し、またITの恩恵を受けることが重要と考え、2019年からスタートした中期経営計画の中で「改善活動100」をスタート、ITインフラの刷新と共に、形骸化したルールの撤廃を進めてきました。

そして今、私たちはAI革命という歴史的な転換点に立っています。この変革期において、経営トップの強いリーダーシップのもと、AI技術を核とした圧倒的な生産性と品質の向上を実現し、組織そのものをデジタル変革(DX)することをここに宣言します。

【経営方針:『改善から創造へ』の舵切り】

「改善活動100」は社内の経営課題を改善する活動です。当初100の課題解決を目標としていましたが、経営課題はすぐに200、300、400を超え、いつしか各部門、各社員が改善活動に取り組む文化となりました。

そこで、中期経営計画の第7期(2025年度)において、経営方針として『改善から創造へ』を掲げ、「起きた問題を改善する」から「理想の未来を創造する」へと大きく舵を切りました。ただ変化を待つのではなく、デジタル技術を活用して、理想の未来の姿を自ら「創造」していく組織へと変革します。

【DX戦略と経営者の役割】

ユニークな製品・サービスの創造

当社はこれまでにお客様の課題解決のため、世の中に存在しない独創的な製品・サービス(コンパイラ評価サービス、組込み機器自動テストシステム、無線プロトコル設計検証サービス、Web調達・購買システム、トレーディングカード自動査定システム、データセンター環境監視システムなど)を世に送り出し、業界内で高い評価を得てきました。

今後もお客様の「困った」の声に応える製品・サービスを創造し、世界中のお客様の課題解決に努めてまいります。

攻めのDXと守りのDXによる業務プロセスの抜本的見直し

  • 攻めのDX:新たなAI技術を積極的に活用し、社内の設計、開発、検証、運用の業務プロセスを抜本的に見直し、生産性と品質を向上させます。
  • 守りのDX:バックオフィス(知財、購買、採用、経理など)のさらなるIT化と、ランサムウェア被害等を想定した「BCP対策」などのセキュリティ強化を推進します。

お客様のDX推進における伴走パートナーに

DXに精通した社員を育成し、お客様のDX推進に伴走してお客様のビジネスを成功に導くパートナーを目指します。

お客様自身がDXを進めるための内製化の支援や、レガシーシステムのモダナイゼーション・マイグレーションサービスを提供します。

社員自身がICTの恩恵を最大限に受けられる組織へ

私たちの目指す姿は、「社員自身がICTの恩恵を最大限に受ける会社」です。多様な働き方の受け皿となるオフィス・ITインフラの整備と、教育研修の充実を図ります。

これまで内製していた基幹システムを刷新し、Fit to StandardによるクラウドERPの導入と自社製品RPAの連携による営業支援システムへと発展させてきました。これにより会社の予実管理の精度や決算速度は大幅に向上しています。

また社員の不便の解決として、クラウド名刺管理サービス、AIによる契約書チェックサービス、タレントマネジメントサービス、電子署名サービスなどのソリューションを次々と導入してきました。開発環境においても各社の生成AIサービスをベンチマークし、それぞれの特性を考慮して社員が自由に利用可能な環境を構築しています。

これからも「よく学び」、「よく挑戦する」社員を育成・支援する体制づくりを進めてまいります。

私は、「業務変革本部」をはじめとする全社を挙げてのDX推進体制を全面的にバックアップし、投資とリソースを集中させます。節目となる2030年度、そしてその先の未来に向けて、新たな日本ノーベルを創造してまいります。

代表取締役 下山 到

1.基本方針の策定(ビジョン)

デジタル技術の急速な進展とお客様ニーズの多様化に対応するため、以下のビジョンを掲げ、持続的な企業価値の向上と社会への貢献を目指します。

【DXビジョン】

「最先端のデジタル技術と高品質な評価検証ノウハウを融合し、
お客様の変革を加速させるデジタルインテグレーションパートナーへ」

当社は、高度な技術力をもとに独創的な製品・サービスを創造してきました。現在は最新のAI技術を活用した「生産革命」を推進しており、開発スピードと品質を圧倒的に高めることで、世界中のお客様の課題解決に貢献しています。

同時に、自社のデジタル変革(DX)のプロセスで得た、クラウドERPや各種SaaSの活用、AI環境構築などの知見・ノウハウをお客様へ還元します。内製化支援やモダナイゼーションをはじめ、お客様のDX推進に寄り添う伴走パートナーとして強力に支援してまいります。

2.具体的な取り組み(DX戦略)

当社が目指す「デジタルインテグレーションパートナー」とは、単なる技術提供にとどまらず、自社での導入実績や製品開発で培った知見を活かし、お客様の変革に伴走できる存在です。この理想の姿を実現するため、以下の3つの戦略的施策を実行します。

①AI技術を融合した「独創的製品・サービス」の創造とグローバル展開

当社のコアコンピタンスである「世の中にない独創的な製品・サービスを生み出す力」。この強みをベースに、製品・サービスを最新のデジタル技術によって次世代へと進化させます。

  • 製品・サービスへのAIネイティブの実装:組込み機器自動テストシステム、無線プロトコル設計検証、トレカ自動査定などの自社ソリューション群に最新のAI技術や高度なデータサイエンス技術を融合します。これまで人が行っていた判断や分析を自動化・高度化し、圧倒的な高付加価値製品へと塗り替えます。
  • 開発プロセスのAI変革(生産革命):これら独創的製品の開発・評価検証業務そのものに生成AIを活用(コード自動生成、テスト自動化など)し、標準工数の30%削減を目指します。劇的なスピードでお客様の「困った」に応える体制を構築します。
  • 世界に向けたデジタル供給体制:開発・検証環境のクラウド化を進め、国内にとどまらず世界中のお客様へスピーディーにサービスを提供できるグローバルなデジタル基盤を確立します。

②レガシー刷新と内製化を伴走型で支援する「デジタルインテグレーション」の展開

自社がこれまで培った高度な技術力と、自社変革のノウハウをお客様への提供価値へと転換します。

  • モダナイゼーション・マイグレーションサービス:お客様が抱える「老朽化したレガシーシステム」の刷新を、当社の高品質なソフトウェア開発・評価検証ノウハウを駆使して安全・迅速に支援します。
  • ローコードによるお客様の内製化支援:自社で培ったローコードツールの活用ノウハウをパッケージ化して提供します。お客様自身がデジタル技術を使いこなし、ビジネススピードを加速できるよう、初期開発から内製化へのシフトまでを一気通貫で伴走支援する新サービスを展開してまいります。

③最先端SaaS・AIの恩恵をフルに受ける「スマートインフラ」の確立と人材育成

私たちが目指す「社員自身がICTの恩恵を最大限に受ける会社」を具現化するため、攻守のバランスが取れた強固な組織基盤を作ります。

  • 実績あるクラウド基盤の深化とBCP強化:既に成功しているクラウドERPと自社RPAの連携による予実・決算の高度化に加え、ファイルサーバーなどのクラウド化を進めます。これにより、場所を選ばないセキュアな環境を担保するとともに、データのリアルタイムバックアップによる強靭なBCP(災害・サイバー攻撃対策)を経営主導で確立します。
  • 自由で安全な開発環境の提供:各社の生成AIサービスをベンチマークし、社員がセキュリティの懸念なく自由に最新技術を試せる環境を維持・発展させ、「よく学び、よく挑戦する」文化をインフラ面から支え、多様な働き方を推進します。
  • マルチロール社員の育成:「AI戦略委員会(CoE)」がハブとなり、全社的なAI・ローコードの教育研修や、DX推進パスポート・クラウド認定資格の取得を強力に支援します。技術とビジネスの双方を理解し、主体的に業務を変革できる「マルチロール社員」を育成・評価する体制をトップダウンで構築します。

3.社長直轄の「AI戦略委員会」の役割

社長直轄の「AI戦略委員会」は、全社のAI戦略を牽引するコントロールタワーとして以下の重要な役割を担います。

  • 全体最適の舵取り(横断的統括): AI技術の爆発的な変化に柔軟に対応するため、部門の垣根を越え、各部門の強みを引き出し、技術を還流させるハブ的役割を果たします。
  • リテラシー向上とDX人材育成:最新AIの情報や、各部門におけるAIによるプロセス改善の情報を共有化します。AI利用方法やローコードツールの社内講習、AI、データサイエンスなどのDX関連資格の取得支援などを企画・運営し、全社員のデジタルリテラシーを底上げします。
  • CoEとしての社内標準化:社内の先端技術 and 知見を集約する役割を担い、迅速に実業務へ適用・展開するフェーズを主導します。また、セキュリティガイドライン・倫理ルールの策定を行い、全社的なデジタル活用の標準化と高度化を牽引します。
AI戦略委員会の位置づけ
AI戦略委員会の位置づけ

4.DX推進の目標

当社はDX推進によって目指す姿を実現するため、2027年度末までに達成する目標を掲げております。

以下を通じ、DX推進力のアップやサービスの品質向上を図ることで、デジタルインテグレーション領域拡大を目指します。

DX人材育成目標

  • ITパスポート、基本情報技術者、DS検定、G検定の保有数を20件増やす。
    (2026年6月現在の合計保有数113件)
  • AWS認定資格の保有数を20件増やす。
    (2026年6月現在の合計保有数36件)

独創的製品の創造およびスマートインフラの目標

  • 生成AI等の活用により、開発や検証業務における標準工数を30%削減する。
  • 社内共有ファイルサーバー環境等のクラウド移行率を80%程度まで上げて、さらにセキュリティレベル向上とBCP強化を進める。

伴走型開発の目標

  • 生成AI、ローコードを活用して「伴走型開発」を牽引できる専門人材を20名育成する。
  • 伴走型開発およびモダナイゼーション・マイグレーションサービスの提供顧客数を10社以上に拡大する。