自動化ツール導入のコツ

自動化ツールを使いこなし、自動化効果を上げるための運用方法を、
Quality Commanderを例にとって考えていきます。

ツールを使いこなすために

まずは自動化ツールの特徴や得意とするところ、あまり得意でないところを掴み、どこに自動化ツールを使うと効果的であるか考えます。例えば単純な繰り返し作業は自動化に適していますが、複雑で繰り返しの少ない作業は自動化には適しません。ここでおおよそ、今後どのように自動化を今のテストに組み込んで行くかという方向性が見えます。

自動化範囲を実際のテスト内容に応じて割り出す

人手と自動化の棲み分けのために、テスト項目を明確化させます。現在行っているテスト項目から自動化の適用効果の高いテスト項目を抽出します。人手とロボットの作業を上手く連携させるには、ロボットと人の評価仕様書を一元化することが重要です。

自動化に適するテスト項目

  • 繰り返しの動作が多いテスト…安定化試験、再現試験など
  • 集中力を持続できない時間の掛かるテスト…MAX試験、設定初期値確認試験など
  • 人が間違えやすい操作手順の難しいテスト…割り込み試験、シミュレータ連携試験など

効率的な運用のための最適化

自動化することの目標を設定し、目標に合わせた運用方法を検討します。
(夜間も連続稼動させることでの時間短縮、単純な繰り返し作業の代替でコスト削減など)
また、目標を実現するために必要な自動化ツールの台数を割り出し、必要分を確保します。

テスト自動化推進のための社内体制作り

キーマンとなる人がツール会社と密接に情報交換しながら社内のテスト体制・運用ルールを作ります。
評価に関わるメンバー内で共通の目標を掲げ、評価計画(評価の優先順位、バグ摘出に必要なテスト項目・回数など)、製品の出来映え評価の基準(バグ摘出数の推移など)を設定します。

運用ルールを決める

シナリオ作成の方法や管理方法について、事前に運用ルールを決めます。ルールを設けることによりシナリオの流用度が高まり、より効率良くテストを行うことができます。特に複数台を数人で使用する場合はこれが重要になります。
例えばQuality Commanderを使った自動テストの場合、シナリオをスタートする画面の決定や、CALLコマンドで呼び出すシナリオの区切り方など、テストシステム独特のルールが必要になります。

運用ルール

  • シナリオ作成の方法
  • 検査ポイントの決め方
  • シナリオ管理の方法
  • シナリオの雛形の作成
  • 複数のシナリオで使用する操作手順は共通シナリオとしてまとめる